【ノーダルポイント】解説:パノラマ撮影の必須事項

パン(回転)できる雲台に乗せたカメラがあればパノラマ写真は撮れます。
でも帰ってソフトで合成すると、でも「なんかズレてる・・・」
その原因はノーダルポイントを無視してしまったから。

スポンサーリンク

ノーダルポイント・ノンパララックスポイント解説

視差を理解する

ミク
ミク

『ノーダルポイント』って何ですか?

YOSHI
YOSHI

ノーダルポイントはパノラマ撮影で”レンズの視差を無くす支点”のこと。
その支点を中心に複数枚撮影していきます。
実は「ノーダルポイント」は俗称で 正式名 はノーパララックスポイントです。
ここでは便宜上NPポイントと呼びますね。
ちなみに英語で
視差= “Parallax” パララックス です。

ミク
ミク

『視差』ってなーに?

YOSHI
YOSHI

向こうにある木を、顔の正面の前に指を立て見てみましょう。
右目だけ左目だけで順番に見てください。
見え方が違いませんか?

YOSHI
YOSHI

この見え方の違いが「視差」です。
人間の顔には目が二つあるため、この視差が生じます。

カメラでもパノラマ撮影をするとき、この「視差」が問題になってきます。
たとえば、三脚に乗せたカメラ本体を中心に回転させるとどうなるかな?

赤丸・・ボールヘッド(雲台)部分

図のようにカメラ本体支点で回転させてしまうと、視差が大きくなってしまいます。

ミク
ミク

目が二つあるから視差が生まれるのね

YOSHI
YOSHI

その通り。一眼カメラはその名の通り「一眼」です。
パノラマ撮影のときにその「目」をずらしてはいけないのです。

では『視差を無くす』もしくは『極力減らす』にはどうしたら良いでしょうか?

それはカメラ側ではなくレンズ側、レンズの中心点で回転させれば良いのです。

レンズ支点で回転させれば視差を極力減らすことができる
YOSHI
YOSHI

この中心をピボットポイント(中心点)と呼びます。

ではこの ピボットポイント(中心点) はレンズのどこにあるのでしょうか?

超簡単なレンズの仕組みの勉強

レンズの中心点を見つけるには、レンズの仕組みをおさらいしておきましょう。

光はレンズを通して映像素子の届きます。
光はたくさんの波長です。たくさんの波長がレンズ内の一点で交差します
それが焦点です。

この『焦点』=レンズの支点=ノンパラレックスポイント なのです。

ノーダルレールを使う

ジロー
ジロー

どうやってレンズの支点を中心にカメラを回転させるんですか?

YOSHI
YOSHI

それには『ノーダルレール』を使うんだ。
『ノーダルスライド』『スライドプレート』ともいうね。

ノーダルスライド。写真は [MENGS] DR-200

NPポイントを見つけるには 『ノーダルレール』 を使います。
これは単に『スライダー』『カメラプレート』とも呼ばれています。
これらのプレートにカメラを装着するにはボディ側もアルカスイス互換の
プレートを付ける必要があります。
※ 『ノーダルレール』 以外の機材は後日別記事にまとめます。

上の写真のようにスライドを後ろにずらします。
そうすればレンズを中心点に回転させることができるのです。

ノーパララックスポイントの見つけ方

ノーパララックスポイントはレンズに「ここです」と印はありません。
ではどうやって見つけるのでしょうか?

ジロー
ジロー

どうやってNPポイントを見つけるのですか?

YOSHI
YOSHI

ペンや割りばしなどの細い物を一直線上にならべて見つけるんだ。

ミク
ミク

具体的にどうやるのお?

YOSHI
YOSHI

Youtubeの動画を見ると解りやすいよ。

チャンネル登録もどうぞよろしく。

カズ
カズ

調整後は遠くのペンが見えなくなったよ!

YOSHI
YOSHI

そう! そこがノンパラレックスポイントなんだ。

調整手順:

  • 左右どちらか15℃にパンを振る
  • 遠くのペンが見えている
  • ノーダルレールに乗せたカメラをそのまま後ろのずらしていく
  • 遠くのペンが見えなくなるポイントがNPポイント
YOSHI
YOSHI

Lightroomで合成した写真だよ。上のが調整前。
正面の手すりがずれたまま合成されてしまっているね。
下のが調整後。手すりに『ずれ』はないよね。

ミク
ミク

下のNPポイントで撮影すると写真が『すっきり』してますね!

YOSHI
YOSHI

Lightroomはパノラマ専用アプリじゃないので、「視差」があると合成がうまくいかないんだ。
逆に言うとNPポイントで視差を補正して撮影すれば上手くパノラマ合成ができるよ。

パノラマ製作アプリによってはNPポイントで撮影していなくても
補正して上手にスティッチしてくれます。
しかしその意味するところは
内部処理で無理やりに画像を変形させスティッチしているということです。

まとめ

  • パノラマ撮影では『視差』を理解することが大切
  • パノラマ写真は『ノンパラレックスポイント』を支点に撮影することが重要
  • 『視差』とは「見る位置」「見ている物の位置関係」が変わること
  • 雲台に乗せたカメラをそのままパンすると視差が大きくなる
  • 視差を補正するのにノーダルスライドを使う
  • 『視差のずれ』はスティッチ時に問題になる

今回の使用機材

カメラ:NIKON:D810
レンズ:PC-E NIKKOR 24mm f/3.5D ED
三脚:GITZO:マウンテニア GT2542
雲台:Markins:Q10
パノラマ(前景)雲台:Leofoto PAN-02
ノーダルスライド:[MENGS] DR-200

動画撮影:Z6, NIKKOR 24-70mm f/2.8E VR

その他:
ゼブラ 油性ペン ハイマッキー

YOSHI
YOSHI

次回はパノラマ撮影の道具をもっと紹介します!
パノラマの道具で質問があればコメント欄からお願いします。

コメント

タイトルとURLをコピーしました