iShoot ニコン用 PC-E 24mm リング式三脚座レビュー

ishoot pc-e 三脚座

大半のレンズをF→Zマウントに入れ替えたのですがどうしても手放せないレンズがこのレンズ:PC-E24mm とPC-E45mm 。
都市景観や建物等をじっくりと腰を据えて撮影するにはこのレンズの出番となります。
最近の撮影はほぼZ6とZ7を使っていますが、FCZ経由でこのレンズを使うとちょっとバランスが悪いのが気になっていたんです。D810では良いバランスなんですが・・。
そんな折見つけたのがこのishootのリング式三脚座。
FTZ使用時のバランスの悪さを解消する切り札になるのかな?

ちなみに私が購入したときのお値段は丁度セールをしていた時だったので5,999円
平時は8000円ぐらいで売っているようです。

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外観

パッケージ

簡素なパッケージです。まあここにお金をかけてもしょうがないのでOK。
珍しい金色の化繊袋に入ってました。取説類はなし。
変な匂いもしないのでOK!

外観1

購入前は実はあまり期待していませんでした(笑)。しかしながら、なかなかどうしてかなり質感も高く丁寧な仕事をしているな〜という印象。


外観2:マウント部分

肝心のPCレンズを固定する内側部分の作りはどうでしょうか。金属のバリなどもなく、角面の処理も見事です。

三脚マウント部分
アルカスイス互換の三脚マウント部分。マウント先端の角も丸みを持たせてキレイな処理がされてます。落下防止用のねじが前後に二個ついていますが、よほど小さなクランプ以外ではクランプ部分に干渉してしまいます。私は取り外しました。

取り付け

二箇所あるねじを締め付けて取り付けます。
「T」の文字(TILT)が刻印されているのでレンズ側の一番大きいツマミに合わせるとスムーズに取り付けられます。

どの部分で装着するべきか?

2つのねじをしっかり締めるときっちりレンズの角型部分に密着します。筐体の縁ぎりぎりに取り付けないTILT機能が使えなくなるので注意が必要です。

2つのねじでしっかり留めれば気になるガタツキはありません。

ishootとは?

amazonでおなじみのカメラ用アイテムを製造している中華メーカー。2007年創業。
怪しげな中華メーカーが氾濫するアマゾンカメラアイテムの中でも、しっかりと自社HPも持っており比較的信頼できそうなメーカー。すべての製品に自社ロゴを刻印していて自社アピールもしっかりしていますね。

https://www.photoloving.com/

各メーカー向けのリング式台座・プレートを多数ラインナップ

カメラメーカー、レンズメーカーのつくるレンズの三脚座ってねじ込み式なんですよね・・。
これだけアルカスイス互換が業界標準になってるんですから、そろそろメーカーさんにもその点考えて欲しいところです。そんな中このisootha 各メーカーの望遠レンズ向けにレンズカラー三脚座を多数ラインナップ! 確実にシェアを伸ばしてきた模様です。かなりレアなレンズの三脚座用の製品もあるので、きっとあなたの望遠レンズ向けの三脚座もあると思いますよ!

ちなみにZ70-200mm F2.8S用の三脚座も出てますね。しかも安っ!!
RRSやKIRK製は10000円はするので価格差で1/5以下です・・。
私はカークの物を買ったのですがこちらでも良かったかも(TдT)

レンズ側を固定するメリットとデメリット

そもそもワザワザ、望遠レンズでもないPCレンズにこの三脚座を導入するメリットってあるのでしょうか?メリット、デメリットを考えます。

期待されるメリット

リング式三脚座を導入することで期待されるメリットは以下が考えられます。

FTZ使用時のバランス改善

②マウント部分への負担軽減

③シフト機能を利用したパノラマ制作の僅かな光軸のズレを解消


①FTZ使用時のバランス改善  ②マウント部分への負担軽減

FTZ経由でPC-E24(45)mm使用時ボディバランスが若干レンズ側になります。望遠レンズのように三脚座でマウントすることによりそのバランスが改善されることを期待しました。しかしながらレンズの重量自体は望遠レンズと違って軽い( PC-E24mm=726g )の逆にバランスがボディ側に移ってしまったので、必ずしもバランス改善にはなりませんでした。FTZ経由使用時でのバランス改善を期待していましたが、結局はFTZに小型プレートをつけてFTZ経由のマウントかマーキンスやKIRKなどが出しているFTZの専用プレートでマウントするのが一番バランス的には良いうようです。
ちなみにishootからもFTZ用の三脚座が発売されています。

参考計測値:
PC-E24mm=726g
FTZ=132g
Z6≒750g(Lプレート装着済み)
D810≒1040g (Lプレート装着済み)

バランスのイメージ

角型フィルター使用時のメリットは有り
角型フィルター使用時フィルターホルダーやフィルター自体を2,3枚重ねて使うと結構な重量になります(200~300g)。それをレンズ側に付けるのですからレンズ側が重くなり、さらにはボディのレンズマウント部分の負担増に繋がります。レンズ側を固定すればボディマウントへの負担は大幅に減らせることになります。
とはいえ、よほど沢山のフィルターを使わない限りあまり気にする必要はないかもしれません。

③シフト機能を利用したパノラマ制作の僅かな光軸のズレを解消

シフト機能を使うと簡単にパノラマ撮影ができます。このパノラマ撮影はPCレンズのイメージサークルの広さを利用したものなので、もともとのレンズに写っている範囲を2回に分けて撮影している、と考えると解りやすいと思います。レンズ側を動かすより、カメラ側を移動するほうが、レンズの光軸がずれずより精度が高い撮影ができると考えました。

自宅リビングのTVセットを撮影して比較します。
それぞれノーマルの位置からフォールとライズを一枚ずつ撮影。
撮影データをLightRoomに取り込んで現像、Lightroomのパノラマ機能で合成します。



ishoot三脚座でカメラボディ側をシフトして撮影

レンズ側をシフトして撮影(通常撮影)

結果

結果からいうと、とくにスティッチクオリティに大差なし・・・。
※なお通常撮影の方がボディと三脚座の位置の違いで画像が若干ズームされております。

通常シフト機能を使って画像をマージすると左右に数ピクセルぐらいズレが生じます。
レンズ側を固定することで、このズレが発生しないのでは、と思ったのですが、通常撮影と同様にずれ自体は発生していました。

※ズレの部分をPHOTOSHOPで検証した画像(後ほど掲載)

後ほど詳細の画像データも掲載しようと思いますが、PHOTOSHOPで画像の差異を見ると、どちらかというと三脚座を使った方がズレが大きい気がします。ちょっと不思議な結果です。
もともとこういう使い方は想定されていないはずなので、普通の使い方(レンズ側をシフトさせる)で充分な精度が出るように設計されているのかもしれません。

デメリット

ここまで読んで頂いた方は「なんだかあまりメリットないじゃん!」と思われたとかもしれませんが、追い打ちををかけるようにデメリットをまとめます。

バランスがボディ側に偏る
前述しましたが、バランスはボディ側に偏ります。三脚にマウントして使う事を前提にしているのですが、結局はバランス的にはリング式三脚座を使わない時の方が良かった気がします。
思った以上にバランスがかなり後ろ(ボディ側)にくるので非常に扱いづらいと感じました。

装着が面倒
撮影前に装着しておけば良いのですが、pc-45mmと24mm を現場で使い分けるときにいちいちレンズごとに装着しなおすのは面倒です。それぞれ毎に買い揃えるという選択肢もありますが・・・頻繁に両方のレンズを使う人はそれぞれ用に買っても良いかもしれないですね。

カメラバッグへの収まりが悪い。荷物が増える
こういうオプションの宿命ですね。そこはある意味仕方ない所ですが、底の浅いバッグだと少々困ることになるかもしれません。望遠レンズのリングは回転させて収まりの良いところに逃がすことも可能ですがこちらのリングは完全に固定式なのでそれも出来ず・・・。

パノラマ撮影に使う時の注意点

パノラマ撮影時ノーダルポイントが前方に移動

私はPC-E24mm をパノラマ撮影で頻繁に使用しているので言及しておきます。
三脚座にマウントすることでノーダルポイントはかなり前方に移動します。

パノラマ撮影時 レールにマウントする際の向きが変わる

またリング式三脚座の向きの影響でアルカスイス互換マウント部分の形状が横→縦に変わります。
レールに固定されてしまっているクランプの場合、マウントできなくなってしまうのでそれを避けるにはダブルテールのクランプを使用する必要があります。
もしくは三脚座の部分に小型のプレートを付けるという方法もありますが、せっかくのアルカスイス互換プレートなのでそのまま使用したいところです。

移動するノーダルポイント

ちなみに45mm ではレールなしで直接パノラマヘッドにリング式三脚座を固定してノーダルポイントがとれました。24mmでは若干前すぎるので後ろにずらす必要があります。

レベル(垂直水平)出し精度考察

私はパノラマ撮影を多くしているので、カメラを雲台に固定する前にレベルをきっちりとります。
雲台に着いている水準器、もしくは外付けのものを使います。

精度の良いカメラならマウントしたあとでカメラ側の電子水準器頼りにレベル調整しても良いですが(そうするときもあり)、精度の悪い電子水準器の場合は困ったことになります。またホットシューに取り付ける方法はホットシューの取り付け次第でレベルがずれるので要注意。確実なのはカメラを取り付ける前に雲台の水準器、もしくは水準器を置いてレベルを取る方法です。

まずは取り付ける前に雲台側でレベル出しをします。


カメラ側(Lプレート使用)でマウント

手持ちのカメラの中では電子水準器の精度が良好なZ7を使います。

①雲台のクランプの上でレベルを取る
②Lプレート経由で雲台に固定
③ホットシューに乗せた水準器と電子水準器で精度を確認

ボディ経由でマウントした場合きっちりとレベルが取れました。Lプレートの装着をしっかりしていない(ボディとの間に隙間がある)、またLプレート自身の精度が悪いとレベル出しにも微妙な影響を与えるので注意が必要です。
私はマーキンスのLプレートを使っていますが、値段は高いですが非常に精度は良いプレートです。

リング式三脚座でマウント

次はリング式三脚座経由で雲台にマウントします。
レンズ本体をリング金具で固定する仕組みから、果たしてきっちりレベルが取るのか否か?


手順は一緒です。写真の通り装着後にもしっかりとレベルが出ていない・・・・・・。(ToT)

レンズ側を固定するので多少のレベルの誤差は出ると思っていましたが、これがなかなかの誤差です・・。ある程度予想していましたがこれはちょっと残念な結果です。

ishoot pc-e 三脚座を使用時はカメラを取り付けてからレベルを調整する

せっかくレベル出しをしても三脚座でマウントしたらレベルがずれてしまっては元も子もありません。
この三脚座を使ったときはマウント後にレベルの最調整が必須になります。

まとめ

アイデアは秀逸・精度改善に期待

三脚座使用時のレベル精度問題が個体差なのか製品固有の問題なのかは不明です。しかしながらカメラにレンズを付けた状態でマウントしてレベルが出ているというのは当たり前の大前提の話です。三脚座をつけることによってレベルがずれてしまうというのは、非常に困った状態です。

アイデアは抜群でしたが、三脚固定後にレベルを調整する必要があるのはかなり煩わしいのと使用方法が限定されてしまうので導入は止めることにしました。

ちょっと残念な結果になりましたが、カメラに装着するアイテムの精度について深く考えさせられました。当たり前のことが出来ているっていうのはかなり技術力のいることなのですね。

今こそPCレンズを手に入れよう!

そもそもPCレンズを使っている人以外には全くもって不必要なこのリング式三脚座ですね。
今回私は、Zでも(FTZ経由)PCレンズをより一層快適に使いたい!という目的で購入しましたが、自己レビューの結果「まあ、いらないかな・・・」という結果になりました。 
しかしながら今回改めてPCレンズの魅力を再認識。是非皆さんもPCレンズ(もちろん中古!)が安くなってきて入手しやすくなっている今こそ、PCレンズで建物が真っ直ぐに撮影できる快感を味わってください。(その際この三脚座はとりあえず必要ないでしょう・・)

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