パノラマ写真の基礎知識

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パノラマ写真ってなんですか?

ミク
ミク

パノラマ写真って横に長い写真ですよね?

YOSHI
YOSHI

そうだね。でも横に長いだけがパノラマ写真じゃないんだよ。どんなパノラマ写真があるかザックリと解説してみるね。

パノラマ写真の定義

パノラマ写真と聞くとまず【横長】や【縦長】の写真が思い浮かびますね。

ニューヨークのビル群のパノラマ写真
[ニューヨーク・スカイライン]
photo by Yoshihiko Wada

Wikiでもこう定義していますね。

パノラマ写真(パノラマしゃしん)とは、広い範囲を撮影した写真
通常の35ミリ銀塩フィルムの縦横比(2:3)や、標準的なディスプレイデジタルカメラの縦横比(3:4)ではなく、横長または縦長の写真。〔中略〕
上下左右全てを撮影した完全な全天球写真の場合は、縦横比(2:1)である。

ウィキペディア ”パノラマ写真”から引用

この定義の補足です。縦横比【2:3】や【3:4】のパノラマ写真もあります。
【1:1】などインスタで使われる正方形の パノラマ 写真もあるんです。

例えば下の写真は50mmで20枚ほど撮影しました。スティッチすることで【1:1】の正方形比率にしています。パノラマ撮影をすればまるで大判カメラで撮影したような写真を作成することが可能です。
“stich”=縫い合わせる。パノラマ用語で合成する意味

琵琶湖大橋 D800E, pc-e 24mm

次は三重の赤目渓谷で撮ったパノラマ写真です。画像比率は3×4 ですが、実際は105mm レンズで30枚ほどを撮影した画像をスティッチしたものです。(若干クロップしてます。)

赤目渓谷 「千手滝 」

この写真の比率は3x4。
元サイズは おおよそ15000x2000px(ピクセル)です。
画素数に換算すると3億ギガ画素相当です。
分割して撮影・スティッチ(結合)することにより、結果的に超高画素の写真になります。
前出のパノラマ写真はZ7とZ MC 105mm f/2.8 VR S で撮影しました。以下その画像の一部です。

【パノラマ風】写真

ちなみに「横長」「縦長」だから「パノラマ写真」かと言うと違います。
次の写真は「上下」をクロップ(切り抜き)して画面比率を【2:1】にしただけです。

一見パノラマ写真に見えますが、元の画素数が1600万画素クラスのDXカメラで撮影しているのでクロップすることでさらに画素数が減ってしまっています。

ミク
ミク

パノラマに見えるけどな~。

YOSHI
YOSHI

そうだね。でも普通に撮った写真の上下をクロップ(切り抜き)しただけなんだよ。

D7000 (1600万)画素で撮影。上下をクロップして【2:1】にしている。

そして次の写真は広角レンズで撮った写真の左右をクロップして【1:2】の縦長パノラマ風にしました。


このように上下をクロップして横長にした写真をPanoramic (パノラマ風)と呼びますが、実際には混同して使われていることが多いのが現状です。

パノラマ写真はクロップしても余裕の画素数

一枚で撮影した写真を構図の調整などでクロップすることもあると思います。
当然そうなると画素数が減ってしまいます。

WEBやスマホなど小さい画像を扱うときはそれでも問題ないのですが
「大きなモニターで高解像度で映したい!」
「壁いっぱいに大きくプリントしたい!」
こういうケースで画素数が少ないと困ることになります。

次の写真はオリジナル画像は4:5のパノラマ写真です。
左右をクロップして1:2の縦長にしましたがまだ9000万画素残っています。

カズ
カズ

D850が4500万画素だからその倍だね!!

大阪の国立国際美術館
大阪の国立国際美術館

狭い範囲のパノラマ

広い風景・光景を写すだけがパノラマではありません。

一枚の写真で撮れる範囲の構図を、あえて画角の狭いレンズを使ってパノラマ撮影することもあります。次の写真は私の手持ちのレンズを105mmのマクロレンズを11枚(縦)で撮って合成した写真です。

ニコンの交換レンズが並んでいる。11枚を繋ぎあわせたパノラマ写真
105mmx11枚を繋ぎあわせたパノラマ写真

中心のカメラと、二列目のカメラのボケ具合に注目してもらうと判り易いですね。【浅い被写界深度】でのパノラマ写真です。

【ブレニザー撮影方法】または【ボケパノラマ】といってニューヨークのウエディング写真家ライアン・ブレニザー氏が考案したテクニックとして知られています。

比較例としてこちらは大体同じ構図になるように広角レンズで撮影。そのあと上下をクロップした写真です。クロップした分画素数も減ってしまいます。

32mmで撮影上下をクロップしただけの”パノラマ風”写真

フィッシュアイレンズを使ったパノラマ

私はフィッシュアイを使ったパノラマを撮影したことがないので作例はFlickerのCC(クリエイティブコモンライライセンス)から。

Ford Hall
Photo by Kurt Bauschardt

画面が中心から遠ざかるにつれ直線が「ぐんにゃり」と曲がっていますね。この「ぐんにゃり」感がフィッシュアイレンズを使ったパノラマの特徴です。私はどうもこの四次元感が苦手なんですが今後は挑戦していきたいパノラマジャンルです。

サエ
サエ

天井のほうが「グニャッ」となって、ちょっと変な感じがしますね

360度VR写真・動画

自分の立っている視点からグルッと全方向が見渡せる写真・動画が360VR写真です。
360度撮影用のパノラマ雲台を利用しカメラの全周囲を撮影してその後専用ソフトでスティッチします。
RICOH THETAはこの写真・動画を手軽に制作するのに特化したカメラです。
以下の写真は私がZ14-30mmを使ってGoolgeMapに投稿した360度写真です。

ドローンパノラマ Drone Panorama

ドローンを使った空撮で大量の写真をスティッチして一枚の写真に仕上げます。
これまで見たことのない光景が製作できる技法だけにパノラマ界隈でかなり流行っています。次の写真はドローン空撮+360VRパノラマです。

Moredun Fort, Moncrieffe Hill

まとめ

・【横長・縦長】だけがパノラマ写真ではない

・【高解像度・新鮮な構図】の写真制作が可能になる

・【パノラマ風】とは1枚の写真をクロップしただけの写真

・【フィッシュアイレンズ】を使うと不思議なグンニャリ感

・【360VR】や【ドローン】を使ったパノラマが人気

YOSHI
YOSHI

次の記事ではパノラマ写真の編集に必要なソフトを紹介します。


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