ソフトフィルター(デフュージョンフィルター)の効果:KENKOのソフトフィルターをZレンズで撮影比較

皆さんソフトフィルター使ってますか? デフュージョン、ミストフィルターとも呼ばれますね。聞いたことはあるけど使ったことがない人の方が多いのではないでしょうか? 

今回KENKOさんから販売中の人気ソフトフィルターを沢山お借りすることができました。それらのフィルターとて手持ちのTIFFENのフィルターと効果を比較しつつソフトフィルターの魅力を紹介したいと思います。是非ソフトフィルター選びの参考にしてください。

今回使ったフィルターの紹介

以下今回お借りしたKENKOのソフトフィルターです。

同じ名前のフィルターでも効果弱と強がありますが、実際はどれくらいの差があるのでしょうか。


フォギー(A) N  <効果弱タイプ>
フォギー(B)N <効果強タイプ>
MC プロソフトン(A)N <効果弱タイプ>
MC プロソフトン(B)N <効果強タイプ>
PRO1D プロソフトン クリア(W)
ブラックミスト No.1
ブラックミスト No.05


私の手持ちのTIFFENのソフトフィルターもいくつか用意しました。

以下 TIFFEN

Black Pro-Mist (濃度1/4)
Pro-Mist (濃度1/2)
Pearlescent (濃度1/2)


カメラ:NIKON :Z6
レンズ:
Z 35mm f/1.8 S
Z 50mm f/1.8 S
Z 70-200mm f/2.8 VR S

※フィルター径は全て82mm。ステップアップリングを使用してレンズ径に合わせています。

フィルター比較①

可愛らしいピンクの紫陽花で効果を比べてみます。

レンズ:50mm f1.8s (f2.0) で撮影

① ZX CPL vs ブラックミスト No.1

コントラストを高めるCPLと逆にコントラストを抑えるブラックミストNo.1との比較です。同じ被写体を撮影してもフィルター一つで印象が大違いますね。


②プロソフトンA<効果弱>vs プロソフトンB<効果強>

Kenko の代表的ソフトフィルターのプロソフトンの弱と強の比較です。
【強】はフィルターの効果が顕著ですね。

③フォギーA<効果弱>vs フォギーB<効果強>

続いてフォギーです。こちらはCPLに重ね付けしてみました。背景のハイライト(空の部分)の光の滲み方が独特な雰囲気を醸し出していますね。同じプロソフトンとフォギーで大分キャラクターが違います。

大分キャラクターが違いますね。※コメント追記

④ブラックミスト No.05 vs Black Pro-Mist (濃度1/4)

同じブラックミストですがメーカーによって違いはあるのでしょうか。

コントラスト、滲み具合ほぼ同じような傾向ですね。TIFFENのBlack Pro−mist 派のフィルター濃度が8/1.4/1,2/1,1,2,3,と細かく6段階から選べます。別の写真や時間帯でも撮り比べたいですが、フィルター濃度に限って言えばブラックミスト No.05≒Black Pro-Mist 1/4 程度に感じました。

ギャラリー①

同じ構図で撮影した写真をギャラリーにまとめました。それぞれのフィルタクリックで画像が拡大するので各フィルターの微妙な効果の違いをご覧ください。

ソフトフィルターは和製英語

日本ではソフトフィルターという呼称が一般的ですが、実はこれは和製英語。正式にはDiffusion FIlter (ディフュージョン fフィルター)です。ソフトエフェクトフィルターと呼ばれることもあります。
ディフュージョン=拡散、光を拡散させる
「光の拡散」といってもその種類は多種多様。一見ほとんど変化のないようなフィルターから、深霧の森林のようなものまで多種多様なラインナップが(メーカーによっては)あります。非常に奥が深いフィルターです。

フィルター比較②

次はZ 70-200mm f/2.8 VR S を使って新緑樹木を中簿遠距離で撮影して比較します。ここでもハイライト部分のにじみ方を見ると違いがよく分かると思います。まずはフィルターなしで1枚撮影します。

フィルターなしの状態

① プロソフトンA<効果弱>vs フォギーA<効果弱>

KENKOの代表的ソフトフィルターの効果を比べます。
プロソフトンとフォギーの効果【弱】です。
この写真のようにハイライトの面積が多いとソフトフィルター効果を強く実感できますね。

フォギーA<効果弱> は効果弱と言えども大分ハイライト部分のにじみ方に特徴が見えます。

② プロソフトンB<効果強>vs フォギーB<効果強>

プロソフトンとフォギーの効果【強】です。

効果強はちょっと光がにじみすぎでしょうか。この場面では【強】効果のフィルターはどちらも少々やりすぎな感がありますね・・。

③TIFFEN Pro-Mist1/2 vs TIFFEN Black Pro-Mist 1/4

TIFFEN の定番 Diffusionフィルターです。

やりすぎない、控えめな光のデフューズ効果が好印象ですね。

ギャラリー②

クリックして大きな画像でご確認ください。

ソフト(PC)の後処理(加工)で出来ないの?

A.結論から言ってしまうと出来ます。しかしながらDiffusionフィルターも沢山の種類があるので、後処理(フォトショップなど)で真似しやすいフィルター効果もあれば、再現が難しい効果もあります。後処理でもソフト効果は再現できるが、数多くあるガラス(ソフト)フィルターの完全な再現は難しい、といったところでしょうか。ミスト(霧)系のDiffusionフィルターは比較的シュミレーションが容易です。
私も結構フォトショップの加工・後処理はやる方ですが、一度本物のソフトフィルターを使うと、後処理でのソフト加工がどうも嘘くさく見えてしまって・・・。 最近ではソフトでのソフト処理(ややこしい..)はほとんどしていません。

実践編:フィルターでイメージを表現する

最後にちょっと実践編。フォギー(霧)系フィルターを使って画作りをしていきましょう。

目指すイメージはこれ:

【瑞々しい新緑・葉と葉間からの木漏れ日が眩しい】

と言ったものの、撮影時は梅雨時の雨上がり。空は曇り。時間はすでに午後4時過ぎ。本来はもっと早朝の撮影で新鮮な太陽光を狙うべきでしたが・・・・。こういう時こそソフトフィルターの力を借りましょう(^^♪

フィルターなし

使用レンズは比類なきクリアな描写のZ70-200 F2.8VRS
その描写はスッキリ、クッキリ、言うことなしですね〜\(^o^)/

Z6/z 70-200mm f2.8 VR S
115mm, ss1/13, F2.8, iso200

・・・でも、ちょっとクリアすぎる? 一枚一枚の葉は解像していて瑞々しい新緑は良いのですが、何か足りない?
そうだ!もっと葉と葉の間から漏れてくる光を表現したい!
ではここで私のお気に入りのTIFFENのPro-Mist1/2を使ってみましょう。 

TIFFEN:Pro-Mist1/2

Z6/z 70-200mm f2.8 VR S
115mm, ss1/13, F2.8, iso200

お!ちょっと画が全体的に少しソフトになり、ハイライト部分も良い感じに滲んで光が強調されたのではないですか!?
個人的にはこれぐらいでも良いと思いますが、もう少し光の滲みを強調してみましょう!

KENKO: フォギーA<効果弱>

こういう時こそフォギーです! 
どうですか!フィルターの拡散効果でハイライト部分が滲んで木漏れ日が表現できたのではないでしょうか。

ときに効果があざとく感じるFOGY系のソフトフィルターですが、こういうシンプルな題材の撮影では絶大なる効果を発揮しますね。
ちなみにこれ、後処理何もしてません。

Z6/z 70-200mm f2.8 VR S
115mm, ss1/13, F2.8, iso200

【とりあえず撮影時はRAWでシャープに撮っておいて、後処理でちょっとソフトにしよう】

後処理全盛、フォトショバンザイ!この考え自体間違いではありませんが、ソフトな描写の完成形のイメージが頭の中にあるのならば、本物のガラスフィルターを使って積極的に撮影現場でそのイメージの写真を撮影すると表現の幅が広がると思います。

フィルターあり、フィルターなし、どちらが好みですか?

動画撮影の現場で多様されるデフュージョンフィルター

動画編集をした事のある人はご存知だと思いますが、動画の後処理は結構なマシンパワーを消費します。エフェクトを使えば使うほど処理(レンダリング)にも時間がかかりますし、高性能なPCが必要になってきます。それほど高性能ではないPCでも撮影時にソフトフィルターを使ってイメージ通りの素材を撮影しておくことで動画編集時にかかる時間を短縮することができます。

またそういう事情とは別に、リアルなガラスフィルターの独特な質感を後処理で再現するのは難しいという技術的な問題もあります。

これだけデジタル処理が進んでいる現代でも映像の世界でDiffusionフィルターが多く使われているという事実は興味深いくフィルターの奥深さを感じます。


まとめ

シャープな描写に疲れたら

最近のカメラのレンズはどれもシャープ。

センサーのダイナミックレンジ、解像度を活かすための非常に性能の良い像に、色収差も極限まで抑えられています。

Zレンズも、本当にシャープでボケも綺麗!像の滲みもなく完全無比!
今もその写りには満足しているのですが、たまにFマウント時代の若干色収差が残るソフトな描写がちょっと懐かしくなるときがあります。

そんなときに効果弱めのソフトフィルターを使うと、シャープな中にも若干ソフトな雰囲気が加えられて良い塩梅の描写になります。

特にポートレートなどの撮影では人肌などはあまりシャープでクリアな描写より、ちょっと滲んでいるぐらいのほうが丁度よかったりしますしね。毛穴なんてあまり見たくないし・・。

こう見えて欲しいのな・・。ここはあまり見せたくないな・・・。

そんな撮影者の「心情」を表現してくれるのがデフュージョン(ソフト)フィルターなのです。

レンズのカビや曇りでソフトな描写に

あえて設計の古い、解像度が甘いレンズをデジタルで使う人も結構います。マニアックな方はカビや曇のあるレンズを使って独特なソフトな描写を求める人もいますよね。

手法を違えど、求めることは同じ。入ってくる光をデフューズ(拡散)させることが目的です。

現在ではフォトショップやパソコンを使っての後処理(加工)で何でも出来ると思われがちですが、カメラのセンサーに入ってくる光そのものの質を変えることができるのは、撮影時のみです。

CPLフィルターやNDフィルターフィルターを使いこなしているのなら、ぜひ次はソフトフィルターに挑戦してみてはいかがでしょうか?

YOSHI
YOSHI

以下参考までに国内で入手可能な代表的ソフトフィルターのメーカーのリンクです。

Diffusion FIlter メーカー紹介

KENKO

昨年販売されたBlack Mist No.05 が未だに品薄の大人気商品のKENKO。今回 No.05も使ってみましたが、効果が弱いので花や、風景などに使うには従来製品のN0.1の方が良いかもしれません。
No.05はポートレートに使っている人が多いようですね。
今回紹介したでフュージョンフィルター以外にもユニークなフィルターがたくさんあるのできっとお気に入りの1枚が見つかると思いますよ。

ソフトフィルター | ケンコー・トキナー
ソフトフィルターとは、光をにじませ、写真の雰囲気をソフトにするフィルターです。強い光を受けている場所ほど光は大きくにじみ、光を発する様な描写となります。

MARUMI

最近はマグネット式のフィルターが好評のMARUMI。ソフト系フィルターも充実しています。若干名称が野暮ったい気もしますが、効果が解りやすいネーミングですね。

キャッチコピーが良いです!

【SOFTフィルターで、写真を文学的にする】

私はまだ使ったことがないのですが、レトロ系のフィルターは面白そうです。

マルミ光機株式会社
SOFTフィルターで、写真を文学的にする。

NISI

定番のブラックミストとAllure Softという二種類のDiffusion系をラインナップ。二種類だとどっちも欲しくなりますね。沢山あると結局迷ってしまうので賢い戦略だと思います。

特殊効果フィルター - 角型フィルターのNiSi

TIFFEN

創業80年アメリカを代表するフィルターメーカー。古くからハリウッド映画撮影にフィルターを配給しておりクオリティは折り紙付き。カメラ用の丸形フィルターも幅広くラインナップ。今回もいくつかフィルターを紹介しております。種類+濃度(効果の強弱)のラインナップが多く微妙な効果を求める映像クリエイター御用達です。初めての人はだいたい1/2〜1/4程度を選ぶと良いのではないかと思います。

日本でもGIN-ICHIさんが日本正規代理店として取扱っていますが、値段が高いのでなかなか手が出しづらいですね。それでもTIFFENを使ってみたい!という玄人志向の方は是非AMAZONのアメリカサイトを覗いてみてください。お手頃価格で購入可能ですよ!

Diffusion Camera Filters
Diffusion filters have been helping cinematographers create their look for generations. These filters can be used for reducing blemishes and wrinkles on talent ...

コメント

タイトルとURLをコピーしました