Nikon AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G  vs z50mm f1.8s ポートレートで使うならどっち?

あまり稼働率は高くないのですが中々手放せないレンズってありますよね?
今回紹介する NIKKOR 58mm f/1.4G もその一つ。
巷では「開放f1.4で撮るとピントがあってるのかどうか分からない微妙でふんわり描写。
ちょっと絞ってf2.0から途端にシャープな描写」が定説ですがそれって本当?

今回は桜ポートレート撮影でガッツリ使ってその真偽を見極めます。
ほぼ同じ画角のZ50mm f1.8s と描写を比較しつつ、ポートレートレンズとしてどちらが使いやすいのか考えましょう。

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撮影前のピントチェック

Nikon純正レンズなのでオートフォーカスのピントはほぼ問題ないと思いますが念のため撮影前にAFのピントチェックをしておきましょう。特に開放f1.4 は非常にピント合わせがシビア、AF微調整が必要になってくるかもしれません。

僅かに後ピン

微妙ですが僅かに後ピンなことが発覚!
さっそくAF微調整機能に登録しておきましょう!

ちょっと掲載画像では判りづらいのですが気持ち後ピンなようでした。 上の写真では-8 になっていますが、実際の被写体を撮影して調整しながら結局 −4で登録しました。

ちなみにF2まで絞るとかなりシャープになるのがわかります。この58mm f/1.4Gは良く「F2〜が安心して使える」と聞きますが、なるほど納得ガッテン!

58mm f1.4G: F2でかなりスッキリ、シャープな描写に!

上の写真では-8 になっていますが、実際の被写体を撮影して調整しながら結局 −4で登録しました。
これでF1.4開放でも安心して撮影できます。

一応z50mm f1.8sもチェック

これまで特にAFに問題を感じたことはありませんが、念のためチェックしておきます。

Z6+z50mm f1.8sほぼ等倍にズーム。ジャスピン! 調整不要。

うん!AF 精度全く問題なし。信頼のZレンズ! それにしてもなんともシャープ。収差とは無縁な描写でです。前準備が長くなりました・・・

いざポートレート撮影へ!

撮影場所紹介

今回の撮影場所は大阪・毛馬桜宮公園。
大阪の桜の名所として有名な場所です。

撮影日は断続的にしとしとと降り続く小雨。傘をさしながらの撮影になりそうです。

駅周辺の様子 Z7+58mm F1.4G 開放での撮影。
開放ですが非常にシャープな写り。三脚使って絞って撮影したらどんな画になるのでしょう。

桜の写真

ちょっと早く着いたので桜の写真を撮りましょう。雨に濡れた桜も良いものですね。

58mm f/1.4G (camera: Z7)

全て開放 F1.4の撮影。カメラプロファイルはポートレート V2

z50mm f1.8s (camera: Z6)

こちらも開放 F1.8。F値のせいもあるけど58mm F1.4Gの方がふんわりしてるかな。

めっちゃ軽いよ!58mm F1.4G!

NIKKOR 58mm f/1.4Gの重量は約385g!
軽い!FTZと合わせても僅か500gです。
やはり手持ち撮影の時はこの軽さは武器ですね〜。
片手で持って、片手でレフ板操作!なんてことも、この重量なら楽々です。
せっかくのミラーレスなんですから、レンズも小型軽量にいきたいところです。

Zレンズにはこの金リングがないんですよね~。淋しいな~・・・・。


しかもZで使えばVRレンズに!
58mmといえど手ブレ補正は心強い味方ですね。
AFは爆速ではないですがポートレート撮影では問題ナッシング。

もう私はポートレート撮影はZオンリー。
・・・というか、一度Zの撮影に慣れてしまうとFマウントでポートレート撮影は無理・・・と思ってしまうくらい【Z -FTZ-Fマウントレンズ】のコンビは快適に撮影できます。

今では
FTZも今はⅡになりました。オリジナルで不評?の三脚座ですけど個人的にはあの三脚座が手に馴染んで好きなんですけどね・・。


被写体様紹介

本日はMiyabiさんにモデルをお願いしました。
前回の撮影はちょうど一年前、70-200 f2.8s のブログでしたね!お久しぶりです!


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比較1 バストアップ 横構図

ポートレート定番の胸から上のバストアップの作例です。
桜を前ボケに少していれてます。

58mm f/1.4G 開放 f 1.4 (camera: Z7)
なんともいえないボケ味がたまりませんね。ピントは目に合わせています。

58mm f/1.4G/ f1.4

同じ構図で以下 F1.6 〜F2.0です。

事前にAF微調整をしていたせいもあるのか開放F1.4でもしっかり解像しています。
F2まで前ボケも後ボケも非常にスムーズです。
同じ場所でZ50mm の描写です。

Z50mm F1.8s / F1.8 (camera: Z6)

ちょっとだけ近づいて58mm と構図を合わせてみたの次の一枚。前ボケも大きく入れてみました。

Z50mm F1.8s /f1.8

いかがでしょうか? これだけみても両レンズの性格の違いがはっきり判りますね!

瞳AF 比較

ここで最短撮影距離付近で瞳AFで瞳にしっかりピントがくるか検証します。
画像クリックで大きな画像でご確認ください。

58mm f/1.4G F1.4〜F2.0 (camera: Z7)

これまではAF微調整していなかったせいで開放でのピントが甘かったのかもしれません。
今回きっちりとAF微調整して撮影に臨んだ結果開放F1.4 でもしっかりと眼にピントがくることがわかりました。F2.0まで絞れば余裕の解像度。

z50mm f1.8s (camera: Z6)

z50mm f1.8s (camera: Z6)
z50mm f1.8s (camera: Z6)/f1.8

Z50mmはこのような被写体に動きがない場面でまず瞳AFで瞳を外すことはないです。9割九部の確率で瞳にジャスピン!

ちょっと引いて撮影比較

少し被写体から引いて撮影します。カメラプロファイルは「デニム」を使いました。
同じ場所での撮影、プロファイル適用後の画像の違いに注目してみてください。
58mm f/1.4G (camera: Z7)

z50mm f1.8s (camera: Z6)

Zレンズは後処理に強い?

RAW現像ソフト(私はADOBE LIGHTROOM)で特定のカメラプロファイルやプリセットを適用させると通常の「スタンダード」や「ポートレート」とは違ったシネマチックな雰囲気になりますよね。

同じシーンを撮影した場合、FマウントレンズよりZレンズで撮影した画像の方が、スッキリと仕上がるように感じます。極限まで収差を抑えた描写がどのようなプリセットにも対応できるのかもしれません。

皆さんはどう感じますか?

8mm の差を検証

50mmと58mm。たかが 8mm, されど8mm。 ほとんど差がないようですが、実はこれが結構違うのです。次の二枚は同じ場所から撮りました。58mm f/1.4G(左)の方がグッと被写体にフォーカスしている感じがします。

同じ場所から撮影

58mmの画角に合うように 50mmは一歩踏み込んで撮影

もちろんその8mmの差を足を使うこと(右)で埋めることはできますが、同じように構図を合わせてみても 58mmと50mmでは背景の映り込み具合や圧縮効果が微妙違います。

8mmの圧縮効果を侮るなかれ
僅かな差ですが、被写体と背景を整理するのにこの8mmの差というのは大きなアドバンテージです。
もちろんより周りの背景を取り込みたい場合は50mmの方が良いですが、こと被写体を際立たせたいポートレート撮影に限ってはこの58mmというのは絶妙な画角だと感じました。特に静物とちがってポートレート撮影は人対人です。遠すぎず近すぎない。この58mm は非常に心地よい被写体との距離を保ちながら撮影できるのです。

Fマウントの中古相場が上がっている!?

58mm f/1.4G ですが
現在(ブログ執筆時2022/4/10)中古相場で90,000円-100,000円ぐらいです。
ちょっと前までは 8万円代でも結構市場に出ていたので値上がり傾向と言って良いと思います。※全体的にFマウントは値上がり傾向です。

とは言え、発売当初の値段を考えるとまだまだお手頃価格。Fマウントは今後あまり製造自体減少していくでしょうから、程度の良い中古を購入するなら今を逃しては後悔するでしょう。
それに加えていまならまだオークションやフリマサイトでも手放す人が多いので上手に買えば大分安く手に入れることが可能です。

ただ発売から10年近く経っているこのレンズ。初期の個体より後期製造のもの、そしてでできるだけ信頼のおける大手カメラショップで購入した方が安心です。

自由作例

58mm f/1.4G (camera: Z7)

作例です。現像はAdobe Lightroom。適用カメラプロファイルはキャプションに記入してます。


50mm 自由作例 (すべて開放F1.8で撮影)

まとめ

確実・安心・スッキリの Z50mm F1.8s

ミラーレスカメラZのと同時に発表されたZ最古参レンズの一つのz50mm f/1.8s。あまりに優等生すぎる性能の故なのかZレンズの中ではあまり人気がない?レンズの一つです。その要因の一つは絶大な人気を誇るスーパーポートレートレンズZ50mm f1.2s の存在があるのは間違いないでしょう。
とはいえ、正確無比なAF、「色収差ってなんですか?」と言わんばかりのスッキリとした描写、「絞るの忘れてた」と思うほど開放F1.8から使えるシャープな描写。
このz50mm f/1.8sを素通りして f1.2sを購入するのはいかがなものかと思いますよ。
ポートレートから風景まで、なんでも使える出来杉君がこのZ50mmf1.8sなのです!




Zで真価を発揮 58mm f/1.4G

世間の風評で「開放で甘いピント」「使えるのはF2から」という認識がずっとあったこのレンズ。

じつは甘いのはAF(微)調整だった・・・ということが今回の比較で判明。
調整後は開放F1.4でも問題なく使えました
確かにZ50mmのようなカミソリ的な鋭さはありませんが、女性の瞳の柔らかさを表現するには、これぐらいの柔らかさがぴったりなのではないでしょうか?
それにこの50+8mmの小さな差がポートレート撮影で大きなアドバンテージになるでしょう。

58mm f/1.4G (f1.4 iso200, 1/200) 夕暮れ時でも絶対的に明るいF1.4はSSを稼げます

Z時代、あえてFマウントレンズを使う意義

温故知新」という言葉がありますね。
古きを知ってこそ、新しさを知ることができる という諺です。
名曲や名画、名作と言われる絵画・映画は現在のものでしょうか? いえ違います。
10年前やそれ以上、それこそ名画やクラシック音楽などは100年以上前に作られた作品を現在、我々は名曲・名作と言ってありがたがっているわけです。
この 58mm F1.4g も来年(2023)で生誕 10年を迎えるレンズです。そう、今こそ、名砡を味わうには絶好のタイミングなのです。
最新のハリウッド映画をZレンズに例えるとしたら、少し前の名作、過去の名作が58mm f/1.4Gではないでしょうか。
Zの描写に慣れてきて十分そのシャープな描写を堪能したら、是非このNikkorの名作レンズ 58mm f/1.4G を味わってみてください。

究極の50mmを求める貴方には!

名砡がなんぞや!時代はZ!ネーティブZの最先端の光学性能を味わいたい!
せっかくミラーレスのZですものね。
ZF1.8Sのボケでも十分な気がしますが、いつかはそのボケにも飽きがくる日がくるでしょう。
そんなあなたは是非Z50mm F1.2Sもご検討ください。
そのずっしりとした重さは幸せの重さです。

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