NIKKOR Zレンズでパノラマ写真撮影「秋編」

秋はパノラマ撮影!(掲載時の今はもう12月の冬ですが・・^^;)
ということで紅葉ピークの大阪の名瀑・箕面の滝へパノラマ撮影にいってきました。私は夏の新緑、秋の紅葉シーズンは必ず馴染みの場所で滝撮影しているのですが、ここ数年はパノラマ撮影を多く取り入れています。今回のブログでは先日撮影したパノラマ写真を中心に紹介しながら、随所にオススメ撮影方法を紹介していこうと思います。

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撮影地紹介

大阪北部にある箕面の滝。秋の紅葉シーズンはもう凄い賑わいになる景観地です。
大滝までは駅から3kmほどの遊歩道がを登るルートと、ドライブコースで滝の近くの駐車場、それから徒歩で10分の楽ちんルートがあります。
今回は当然楽ちんルートです。8時から駐車料金が跳ね上がりますのでそれまでに撮影を終えて帰る予定(*^^*)。

パノラマじゃない箕面の滝の写真を紹介

まず初めに次の3枚はパノラマ写真ではありません!
①はPc-e 45mm (D800E), ②③④はAF Nikkor 180mm F2.8D IF-ED(D810)での撮影。
本題の「パノラマ撮影の勧め」とずれますけど(汗)、望遠単焦点で切り取る風景写真というのは実に楽しいものです。(機材も少なくて済むし・・(T_T))
箕面の滝は年によって滝の前の紅葉の色づき具合がかなり違います。今年の紅葉 は・・・
かなり良かったです! 乞うご期待!(*^^*)

パノラマ① NIKKOR Z 85mm f/1.8 S で「プチ」パノラマ

さて本題「Zレンズでパノラマ撮影の勧め」。ここからパノラマ写真の紹介になります。
まずは上の写真を御覧ください。 滝の前の紅葉の赤と背景の岩肌、滝の流れが美しい1場面。
定番の構図です。横構図で撮ってインスタ用にクロップしました・・・・

っというのは嘘!実はこれパノラマ写真です。

1x1 正方形パノラマ

実はこの写真はz85mm縦構図で撮影した3枚をスティッチした”プチ”パノラマ写真です。

↓こんな感じにスティッチされてます。撮影位置をもっと後ろにして横(縦)構図で撮影してクロップすれば同様の構図にはできると思います。ただクロップすると解像度が犠牲になってしまいます。
それに心情的にクロップって嫌いです(TдT)

しかしパノラマ撮影すると長辺8200PXとほぼオリジナルの解像度を保ったまま正方形の構図にすることができます。これぞ究極のインスタ映え!
※8200×8200 px ≒6400万画素程度です。 
この程度のパノラマなら正直パノラマ専用機材も必要ありません。ただしノーダルポイントだけはちゃんと測っておきましょう。


同じ場所で 3x2 パノラマ

同じ場所でさらに撮影枚数を多くすると↓ こうなります。
写真の比率は3×2です。
横7枚x縦2列=計14枚をスティッチしました。
横列の撮影枚数は少なくても問題ありませんが、隣同士の写真の重なり具合が多いほうが解像感はアップします。使用レンズはNIKKOR Z 85mm f/1.8 S 、ボディはZ7です。

オリジナルサイズは16000x10000px 。総画素1億6000万画素。一般的に1億画素を超えるパノラマ写真はギガパノラマと定義されます。ただ最近は高画素機で撮影すると結構簡単に1億画素は超えてしまいます。

PTGuiの編集画面。

パノラマ撮影には単焦点レンズがおすすめな理由① 【軽い】

NIKKOR Z 35mm f/1.8 S、NIKKOR Z 50mm f/1.8 S、NIKKOR Z 85mm f/1.8 S、NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR SはZ専用レンズ。これまでのFマウント比べてもコンパクト・軽量なレンズ達です。ボディとレンズがコンパクトだと、パノラマ機材もコンパクトにすることができます。本格的なパノラマ写真の撮影に必須なパノラマ雲台。そうなると必然的に荷物も増えてしまいますね。バックパックでの移動にはできるだけ荷物の重量を抑えたいところ。
軽量なZとZレンズの組み合わせは風景パノラマ撮影の最適解です。

NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR Sを中望遠レンズとして使って圧倒的な解像度のパノラマを撮っているところ

パノラマ② NIKKOR Z MC 105mmで 大判カメラ風のパノラマ

Z105mm の超解像度でパノラマ!

次は縦構図x4枚で撮影してのスティッチです。最終的に左右を少しカットして4x5の大判サイズ風に仕上げました。使用レンズはNIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S (カメラボディ:Z7)です。
こちらも先に紹介した「プチパノラマ」の応用で撮影枚数を一枚増やして4枚にしただけです。比較的簡単に撮影できるのでぜひお試しください。

9x16

そしてまた同じ場所からの撮影です。さらに上下に撮影枚数を増やしました。縦4x横4の計16枚です。
仕上げに左右を少しクロップして縦16x9に仕上げました。この圧倒的な解像度はなかな掲載画像でわかってもらえないのが残念です。スマホの待受け画面にどうぞ!

PTGUIではマスク機能を使って残したい所(緑の箇所)を簡単に指定できる。

パノラマ撮影には単焦点レンズがおすすめな理由② 画質が最高

一般的にズームより単焦点レンズの画質が良いのは言うまでもありませんね。もちろん大三元クラスのズームレンズであれば、単焦点レンズに迫る画質ですが、Z単焦点レンズの画質は大三元ズームより一歩秀でた写りをします。特に単焦点レンズは周辺部の歪み、色収差、周辺光量落ち(若干絞る必要あり)がほぼ皆無なのでスティッチ処理が本当に楽です。(ほとんどソフト頼みですけど)

パノラマ雲台はクリックストップ付きを使う!

焦点距離の長いレンズになると回転角度をより小さな数値で設定する必要がある

Nodal Ninja 6
ここで使用機材の紹介です。ここまでの撮影に使用したパノラマ雲台はNodal Ninja 6です。
国内ではよしみカメラさんが取り扱っています。

軽量ですが作りはさすがパノラマ専門メーカー製、作りはかなりしっかりしています。水準器の精度も高いです。しかし残念ながらカメラ取り付け部分はアルカスイス互換ではありません(その分軽量です)。しかしボディへ直ネジ止めの恩恵なのか、しっかりとレールにボディを密着させることが出来てブレ防止に一役買っている感じです。 アルカスイス互換に拘らなければミラーレスのZボディ+F1.8単焦点レンズクラスには最適なパノラマ雲台でおすすめできます。

クリックストップは必須
パノラマ撮影の枚数が多くなると確実に設定した角度で止めることができるクリックストップは絶対に必要になります。簡易的なパノラマ雲台にはこのクリックストップが付いていないので、いちいち目視で回転角度をロックする必要があります。先に紹介したプチパノラマ、横一列3-4枚程度のパノラマ撮影なら目視で回転角度を随時確認しながらでも問題ないでしょう。しかし撮影枚数が増えていくにつれ、特に縦列が増えていくと、クリックストップなしでの撮影は正直面倒です。それだけでなく途中でどこまで撮影したか解らなくなる恐れがあります。

Nodal Ninja 6個人輸入がオススメ!
この雲台が気になる方は海外サイト、NODAL NINJAの開発販売元FANOTECでの購入がおすすめです。現在(記事執筆時2022年)は円安で個人輸入のメリット薄ですがそれでもNN6なら360ドル程度で売っているので送料を入れてもお得に購入できま。

パノラマ撮影には単焦点レンズがおすすめな理由③画角の変化がない

ズームレンズをパノラマ撮影に使うときの注意点は、撮影中にズームリングが回って画角が変化しないようにすることです。勿論テープなどで動かないようにすれば避けることができます。
単焦点を使えばその心配がないので撮影に集中できます。
ズームレンズは焦点距離毎にノーダルポイントも微妙に変化するので、撮影前に調べておく必要があります。

パノラマ③ 再びz105mmで超解像度パノラマ

ここから撮影場所変更。箕面渓谷の入り口付近です。箕面駅から大滝へ向かう途中に目を引く小さな滝。z35mmで撮影した全景はこんな感じ。濡れ落ち葉が黒々とした岩肌に張り付いていてめっちゃ綺麗!

Z MC 105mm f/2.8 VR Sでギガパノラマ

同じ 場所でNIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR Sを使ったパノラマ撮影です。
横7枚x縦3枚で撮影。
焦点距離が長く

以下の写真はパノラマ撮影につかった中心部の6枚です。この凄まじい解像度のままスティッチされています。

中心部のオリジナル写真

このレンズもおすすめ

ちなみに↓の写真はFマウントのMicro-Nikkor 105mm F2.8Gレンズを使ったパノラマ写真(撮影2020)。 撮影日も光線も違うので一概に比べられませんが、色ノリ・コントラスト等NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR Sの写りとは結構違いますね。

パノラマ④ z70-200f2.8sで テレ端200mm パノラマ

さらに岩肌にフォーカスしたパノラマ撮影するためにレンズをNIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR Sにチェンジ。こちらは別日の撮影で機材構成も違います。
NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S用にパノラマ雲台はNODAL NINJA のM2を使用。
この雲台は取り付け部分がアルカスイス互換なので、縦・横取り付け可能です。
もともとはFマウント+70-200F2.8G用に購入した雲台なので安定性は抜群です。
ちなみに三脚はプレートハブをTH-230に交換したGITZOのGT2532です。
ハブをTH-230に交換したことで安定性が一段と増しました。


焦点距離200mmで横一列9枚を撮影します。

こちらがスティッチ中の編集画面です。

完成

掲載用に2x1にクロップしました。

オリジナルはさらに横長だが2x1にクロップ。 是非クリックして拡大して見てください。

パノラマ⑤ 最後はz50mm 秋のグルグルに挑戦

実はこの場所落ち葉のグルグルが撮影できるスポットとして有名。
キレイな落ち葉の動きを撮るには30秒程度の長秒が必要になってきます。

使用レンズはNIKKOR Z 50mm f/1.8 S。
各30秒の露光で横5x縦3撮影します。グルグルじゃない箇所は30秒じゃなくても良いのですが風も穏やかだったのでそのまま全てのフレームを30秒で撮影しました。
今冷静に見ると中心部のいち列余計だったかも(汗)
後で検証したら横3枚x縦2列の6枚で同じ結果が得られました・・・)

パノラマスティッチ結果

まとめ:パノラマ撮影にはZレンズかなりがオススメ!

今回パノラマ撮影に使用したのはNIKKOR Z 50mm f/1.8 S、NIKKOR Z 85mm f/1.8 S、NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S、NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S。どのZレンズも色乗り・コントラスト・解像度、本当に非の打ち所がないレンズです。その中でも私のお気に入りを一つ上げるとすれば・・

NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

です。ミラーレスZと同時に発売された最古参レンズですが、本当に使えば使うほど毎回驚きを与えてくれるレンズです。何がそんなにオススメかというと(これはZレンズ全般に言えることなのですが)

全然っ!ひずみがない!
画像周辺で歪が皆無!写真と写真のつながりが本当にスムーズです。

収差がない!
ほんとうにスッキリ・クッキリ写ります!このスーパースッキリ感が解像度につながります。

圧倒的な解像度!
せっかくのパノラマ撮影です。でも一枚一枚の写真が眠かったら、もう全く意味無し!
隅々まで完璧に解像しているレンズで撮るからこそスーパー解像度のパノラマ写真が撮影できるのです。

パノラマ撮影ビギナーにこそ使ってほしいNIKKOR Z 50mm f/1.8 S

一番パノラマ写真らしいパノラマ写真が撮影できるのが50mm。
50mmのパノラマ撮影に慣れてきたら中望遠の単焦点レンズにもトライすると良いと思います。
もちろん撮りたい被写体に合わせてレンズはチョイスしてください。

来年こそパノラマ撮影を

秋シーズンも今年は終わってしまいました。ぜひこれからの夜景や来年の新緑でパノラマ撮影に挑戦して、パノラマ撮影を楽しんでください!


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